会社のロゴ

会社のロゴ

アプリのUI/UXデザイン、Webデザイン、ロゴデザイン、ノベルティグッズ制作、印刷物のデザイン全般にかかわるサービスを提供しています。目標の達成をサポートし総合的なデザイン制作やディレクションを得意としています。

そのロゴ、5年後も愛せますか?生成AIに“企業の顔”が作れない決定的な理由

はじめに:AIは「魔法の杖」か?

「会社を立ち上げるからロゴが必要だ」「新サービスのアイコンを作りたい」 そう思ったとき、今や選択肢の筆頭に「生成AI」が挙がる時代になりました。
プロンプトを一言入力すれば、わずか数秒で、しかも月額数千円(あるいは無料)で、無数のデザイン案が提示される。これまでの常識では考えられなかった「スピード」と「コストパフォーマンス」です。
しかし、経営者やマーケティング担当者の皆様に、一度立ち止まって考えていただきたいことがあります。「そのAI製のロゴは、企業の顔として“5年戦える資産”になるのか?」 という問いです。
今回は、弊社がまとめたレポートスライドをもとに、なぜAIでは真のロゴ・CI(コーポレート・アイデンティティ)が作れないのか、その本質的な理由を解説します。

 

1. AIがしているのは「設計」ではなく「合成」

AIの成果物は一見きれいです。
しかし、その中身は人間のデザイナーが行う「設計(Design)」とは全く異なります。
スライドでも解説していますが、AIが行っているのは過去の膨大なデータの「合成(Synthesis)」です。 世界中の既存デザインをミキサーにかけ、統計的に「最もありそうな形(平均値)」を出力しているにすぎません。そこには「なぜその形なのか?」という戦略も、「これからどうなりたいか」という未来への意志も存在しません。
一方で、プロのロゴ制作は、企業の理念や経営戦略を因数分解し、ゼロから構造を組み上げる行為です。「それっぽい絵」を作るのがAI、「意味と機能を設計する」のが人間。この違いは決定的です。

 

2. ブランド資産を阻む「4つの欠落」

では、AIで作ったロゴを使い続けると、具体的にどんなリスクがあるのでしょうか。
私はこれを「4つの欠落」として整理しました。

① ストーリー(熱量)の欠落

ロゴは、見た目という氷山の一角に過ぎません。水面下には創業者の原体験や、社員の価値観といった「熱量」が必要です。 過去のデータしか参照できないAIには、これから企業が描く「未来のビジョン」や「想い」を形にすることはできません。「温度」のないロゴは、誰の心も動かさないのです。

② プロセスの欠落

実は、ロゴ制作で最も価値があるのは「完成したデータ」ではなく、そこに至る「プロセス」です。 「自分たちは何者か?」「どこへ向かうのか?」。経営者と社員が徹底的に議論し、言語化する。この「悩み、決定する過程」こそが、社内の一体感(インターナルブランディング)を生みます。 ボタン一つで出力されるAIロゴには、この貴重な経営機会が含まれていません。

③ 権利の欠落

ビジネスとして最も危険なのがここです。AIは既存のデザインを学習元としているため、他社の商標や著作権を侵害するデザインを出力するリスクが常にあります。 また、AIの提案は統計的な「最大公約数」であるため、誰が使っても似通った「既視感のあるデザイン」になりがちです。商標登録ができず、後から訴訟リスクに怯えるロゴは、経営資源とは呼べません。

④ 耐久性の欠落

ロゴは名刺の片隅から、巨大な屋外看板、スマホのアプリアイコンまで、あらゆる場所で機能しなければなりません。 AIは表面的な絵作りを優先するため、縮小時の視認性やモノクロ展開などの「機能設計」が考慮されていません。今の流行りを取り入れただけのAIロゴは、企業の成長フェーズが変わるとすぐに使えなくなります。

 

3. ロゴは「貯金箱」である

私が特に大切にしている考え方があります。それは「ブランドとは貯金箱である」ということです。
ロゴそのものがかっこいいから商品が売れるのではありません。 日々の誠実な活動、優れた製品、顧客との約束。それらが積み重なり、「信頼」や「実績」「愛着」としてロゴという貯金箱に蓄積されていくのです。
ストーリーも戦略もないAIロゴは、見た目がどんなに美しくても「中身が空っぽの貯金箱」です。
それでは、顧客や社員のエンゲージメントを育むことはできません。

 

結論:AIは「ツール」、魂を吹き込むのは「人間」

誤解していただきたくないのは、私たちは「AIを使うな」と言っているわけではありません。
アイデア出しのブレインストーミングや、イメージの方向性を探るための「たたき台」として、AIは非常に優秀なツールです。しかし、企業の根幹を揺るがす決定、つまり「ブランドの顔」の最終設計をAIに委ねてはいけません。「思想の翻訳」と「権利の担保」、そして「未来への責任」。
これらを持てるのは、まだ人間だけです。

10年後も誇りを持って使える「資産」を作るために。
ぜひ、貴社のブランディングにお役立てください。

 

 

まずは、あなたの会社の「物語」を聞かせてください。
記事の中でお伝えした通り、良いロゴは「深い対話」からしか生まれません。 だからこそ、いきなりデザインを提案するのではなく、お客様とのコミュニケーションを何よりも大切にしています。「何から伝えていいかわからない」という場合でも大丈夫です。 壁打ち相手として、御社の価値や強みを言語化するところからお手伝いさせていただきます。
AIには真似できない、あなただけのストーリーを一緒に紡ぎ出しませんか?
まずは、お気軽にご相談ください。

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